体験記

秘境のアマゾン川を探検! 5つ星ホテル客室「アリア」 藤原 暢子

アクアペディション・クルーズの「アリア」。肥沃なアマゾン川をゆく5つ星客船

5つ星ホテル客室「アリア」 外観

クルーズというと、海のイメージがありますが、実は川を航く「リバークルーズ」もさまざまな航路があり、人気です。具体的にはヨーロッパのセーヌ、ローヌ、ドナウ、中国の長江、さらにはもっとレアな場所までクルーズ客船が就航しています。

5つ星ホテル客室「アリア」 風景

アマゾン川の場合はリバークルーズでも、「秘境クルーズ」的なもの。もちろん、昔から移動用の船や簡素な観光船はありましたが、快適な客船は、アクアペディションズという会社が2008年に5つ星客船を就航させたのが初めて。現在は「アリア」という船が3泊、4泊、7泊クルーズを行っています。

アマゾン川クルーズでは何ができる?

ガイドがいろんな説明をしてくれる

▲ ガイドがいろんな説明をしてくれる

通常のクルーズと違って、このクルーズでは基本的に全員が同じスケジュールで動きます。朝、8~10人乗りのエンジン付きボートに分かれて乗り込み、ボー トで支流に入っていって海やジャングルに住む動物たちを探したり、あるときは陸に上陸してジャングルを歩いて探索します。

10人乗りの小船に乗り換え細い支流へ

▲ 10人乗りの小船に乗り換え細い支流へ

自然が相手ですし、雨期と乾季では水面の高さが2メートルも違うので、見られる風景や動植物も同じとは限らないため、1日の計画は日々変わる可能性があります。

牛肉の破片を使ってのピラニア釣り。夜はアリゲーター探しと、まさに冒険が続く

▲ 牛肉の破片を使ってのピラニア釣り。夜はアリゲーター探しと、まさに冒険が続く

基本的には朝早めに食事を取り、ボートで探検に出発。お昼は動物も活動が少ないため、乗客も昼食のために船に戻り休憩。涼しくなった夕方に再度出かけるというパターンです。

エリアなどでおおよその予定は決まっているものの、「今日の午前中はピンクドルフィンを見て、その後ピラニア釣りをしましょう」、「夕食の後、暗い中をアリゲーター探しにいきましょう」。「この近くに100世帯ほどの集落が暮らしているので訪ねてみましょうか」という具合です。

アナコンダ

▲ アナコンダ

10人乗りのボートに乗り込むのは操縦するクルーと、ネーチャー・ガイドです。 自ら双眼鏡を持ち、「あの右の木の2時の方向に、ナイトモンキーの親子がいます」など、実によく見つけ、そして詳しく動植物の生態について説明してくれます。

粘って見つけた「ピンクドルフィン」

▲ 粘って見つけた「ピンクドルフィン」

アマゾン川の神秘的存在「アナコンダ」「ピンクドルフィン」は、4隻のネイチャー・ガイドが無線で情報を共用しつつ、見つけ出してくれました。

木の上にはリスザルの家族も

▲ 木の上にはリスザルの家族も

彼らは自然保護の研究所で働いていたことがあったり、会社ぐるみでアマゾン川で絶滅しかけている動物の保護活動をしているプロ中のプロ。きれいな英語で説明してくれます。

集落

電気が届くか届かないかの集落へ行き、川沿いの暮らしを見せてもらう時も、このガイドたちが通訳などで大活躍します。

150人くらいの住民が住む集落を訪ねてアマゾン川沿いに住む人々の生活を知る

▲ 150人くらいの住民が住む集落を訪ねてアマゾン川沿いに住む人々の生活を知る

乗客と村人が交流できるように、自己紹介やゲームができるように仕向けてくれるのです。

お決まりのツアーじゃないからリクエストも叶う!

私は、カナダ&アメリカからのご夫妻6人とすっかり意気投合し、4日間同じボートに乗って愉快な時間を過ごしました。ガイドのリーダー的存在ホワンさんが、ガイドしてくれる時に、それぞれの希望を伝えてみました。

巨大なオオニハスを見に行った

▲ 巨大なオオニハスを見に行った

ロサンジェルスから来た、元テレビ局に勤めていたヴァレリーは「雑誌で、ファッションモデルがアマゾンの巨大ハス(オオオニハス)の横で撮っていた写真を見て、このクルーズを決めたの。同じような写真が撮りたい!」とリクエスト。

アマゾン川で泳いだり、見たいものやりたことが叶う!

▲ アマゾン川で泳いだり、見たいものやりたことが叶う!

私は、アナコンダやピラニア釣りの前だったので、「アマゾン川で泳いでみたいんだけど」と。ホワンさんは船長と相談し、最後の日、一番近い巨大ハスが浮か ぶ湖に私たちを案内し、その後、支流へ行って、「さあ、ここなら泳いでいいよ!」と希望者を泳がせてくれました。お仕着せの観光でなく、多くの情報と知識 の中で安全を保ちながら、乗客の希望を叶えてくれる船でもあるのです。

客室は一面すべてがガラス張り!

街中のリバークルーズと違い、解放的で斬新なデザインの船「アリア」

▲ 街中のリバークルーズと違い、解放的で斬新なデザインの船「アリア」

アマゾン川の周域はまだ開発されていないところも多く、だからこそ自然の動植物が見られるのですが、清潔で安心して滞在するホテルなどは少ないのが現状です。観光用の船もありますが多くがバックパッカーレベル。

客室は一面すべてがガラス張り!

▲ 客室は一面すべてがガラス張り!

そんな中、ホスピタリティにあふれた「アクア・エクスペディションズ」の船の存在は貴重です。探検用のボートに乗って、暑ければ冷たいおしぼり、スコールが降ればレインコートが出てきます。のどが渇いたと思ったら、そっとソフトドリンクやビールが差し出されます。 同じボートに乗っていた乗客が「この船はアマゾン川のフォーシーズンホテルね」と言っていましたが、まさに!です。

一面がガラス張りの客室。

▲ 一面がガラス張りの客室。

そもそも私が「この船に乗りたい」と思ったのは、「アリア」の客室の写真を見た時でした。窓というよりも、“客室の1面がガラス張り”。ベッドに寝転ぶと、アマゾン川の景色が大画面のように見え、風景が流れていきます。

他の乗客ともすぐ仲良くなれる!

▲ 他の乗客ともすぐ仲良くなれる!

船体、船室のデザインも自然に溶け込むように、でもシンプルにまとめられていて実に快適。客室は16室定員32人という少人数も魅力。食事もダイニングでほぼ同じ時間に取りますので、自然に皆仲良くなります。

ジャグジーにビーチチェアも完備。のんびりとアマゾン川を眺めるのもいい

▲ ジャグジーにビーチチェアも完備。のんびりとアマゾン川を眺めるのもいい

食事はペルーの人気レストランのシェフが監修しており、モダンにアレンジされたペルー料理がいただけます。エスニック料理が苦手なアメリカ人は、シンプルなチキンスープを作ってもらったりと、融通も利きます。

バーもある、我が家のリビングのような3階のラウンジ

▲ バーもある、我が家のリビングのような3階のラウンジ

船は3階建てで、3階には応接間のような心地よいバー&ラウンジが。探検前にレクチャーを受けたり、ペルー料理のデモンストレーションなどにも使われます。外にはジャグジーやビーチチェアもあります。(2階には小さなショップも)。

クルーズ代金は1泊10万円前後ですが、この乗客定員の少なさとサービス、食、優秀なガイドで安全&快適な航海を考えると妥当なのかもしれません、基本的 には食事もお酒も含まれますので、ラグジュアリー客船と同じレベルです。泊数は長ければ動植物も多く見られるので、「せっかくなので」という場合は7泊も よいと思いますが、4泊でもかなりのものが網羅できます。

せっかくペルーまでいくなら日程に余裕を持たせて、マチュピチュなどの世界遺産もジ

▲ せっかくペルーまでいくなら日程に余裕を持たせて、マチュピチュなどの世界遺産もジ

出航・帰港は、ペルーのイキトスから。日本からだと、アメリカのヒューストンやLA、NYを経由して、ペルーの首都リマへ。そこ から、国内線で1時間ほどのイキトス空港まで行きます。フライトの時間的にリマで前後泊するパターンが多くなりますが、時間があればリマを起点に世界遺産 のマチュピチュ(リマから飛行機と列車)などに足を延ばすのもお勧めです。

未開の地アマゾン”はアクアペディションズのおかげで、安全&快適に探検できるようになりました。同社はアマゾン川に続いて、アジアのメコン川で同様のクルーズをスタートしますので、こちらも楽しみです。

著者

藤原 暢子
クルーズ・ジャーナリスト 藤原 暢子
  • 大学卒業後、ワシントン州シアトルへの留学を経て、雑誌の編集者に。1998年にイギリスの客船で日本~イギリスまで45日間で世界半周を行う。クルーズの旅の面白さと奥深さに魅了され、その後本格的に客船の取材に取り組み、15年間で100隻以上の外国船・日本船・フェリーに乗船し、70カ国以上をめぐる。
  • 2004年、20年間続くクルーズの老舗専門誌『クルーズ』(隔月刊/海事プレス社)の副編集長を経て、2008年より編集長。
  • 2010年5月、同編集長を辞め、クルーズ・ジャーナリストおよび編集者として、客船取材を含め、さまざまな媒体に関わっている。

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