体験記

インターナショナルシップ Yangzi Explorer で行く 長江三峡クルーズ クルーズマスター 松井澄夫

Yangzi Explorerは2008年建造、6733総トン。乗客総数124名、クルー121名という贅沢な三峡クルーズシップ。

Yangzi Explorerは2008年建造、6733総トン。乗客総数124名、クルー121名という贅沢な三峡クルーズシップ。

 2011年9月、Yangzi Explorer の新造船に乗るチャンスがあり、出かけることにした。これまで中国のリバークルーズは汚いという話を聞いたので遠慮していたのだが、今回はインターナショナルな船ということで飛びついたのだ。

 航路は宣昌から重慶までの上り4泊5日、下りは3泊4日となるのだが、料金が同じということで一泊多い上りを選んだ。クルーズ前日は北京に泊まり、翌日北京から宣昌まで約2時間のフライト。到着後、空港からタクシーで港までは約1時間20分。料金は300元とられたが、メーターを使用すれば150元くらいではなかろうかと船の中で言われ、結構ボラレタのかなーと思うがそれはもう後の祭り。現地の料金を事前調査する必要があると反省。

  • 船は崖を降りた川に停泊。ポーターは苦力(クーリー)。

    船は崖を降りた川に停泊。ポーターは苦力(クーリー)。このように肩に担いで天秤棒状態で船まで運ぶ。まあ、坂を下りてゆくのだからこれが最善の方法なのだろうと納得。

  • オーストリア人のシェフSigi(左)。隣りがCruise Director、サンディエゴ出身のThomas。

    オーストリア人のシェフSigi(左)。
    隣りがCruise Director、サンディエゴ出身のThomas。チェックインの際のロビーでの歓談のひととき。

  • 部屋

    部屋のアメニティーには時計、傘、金庫、ヘアドライヤー、電圧は200V だが、日本用のソケットも使用可能である。電話は2台で1台はバスルームに。

 18時ごろチェックイン。船ではクルーズディレクターのThomas、シェフのオーストリア人SigiそれにThomas のアシスタントで中国人のWillie が迎えてくれた。ディナーまではフリーなので、まずはシャワーを浴びる。バスルームは大理石製で非常にスペーシャス。内装の木材はカナダのメープルツリー、堅くて良いのだそうだ。ベランダの床はチーク材、これだけで高級感が感じられる。

 さて、ディナーはワンシーティング制である。一度割り当てられた席は変更不可のシステム。私の席のテーブルメートは日本からの3人と韓国のメディアパーティの4人、うち3人が女性であった。担当ウェイトレスは20歳のAnn という名前の笑顔の可愛い女性。どのテーブルにも女性のウェイトレスがついている。ややこしい英語は通じないがほとんどの用はこなしてくれる。ワインは無料の中国製のハウスワイン。白、赤ともにまあまあの味である。

2日目 三峡ダム見学

  • 三峡ダム

    三峡ダム

  • 閘門

    閘門

中国式太極拳

朝早くから、オブザベーション・デッキでは中国式太極拳の時間があったので参加してみたがこれがなかなかハードである。

長江三峡

 朝食はブッフェスタイル。中華風と洋食でボリューム満点だ。今日は三峡運河を通過するという。パナマ運河より大きい。閘門は5か所で高低差が80m。最初のロックに入ったのが昼近く、14時半ごろすべての閘門を通過し終わったから、合計2時間半ほどShip Lock にいたことになる。

 15時から17時まで大平港に停泊。ケーブルカーに5分ほど乗って、そこからバスで巨大ダムの見学に入る。平地からと高所からの見学だ。このダムが出来てから、水蒸気の発生でいつもかすんだ状態の空模様になったとのことである。写真もすっきり撮れない。自然破壊が原因で気候の変化が生じたようだ。

13の都市、140の町、1352の村、600の産業工場、1200の考古学プロジェクトなど、1200万人を移動させた巨大事業は全て洪水から救うための国家的なプロジェクトだった。外国はこの事業を非難したが、国内では好評だったという。

 18時15分Xiling Gorge東地区の経西陵峡を通過する。切り立つようなGorge峡を通過する時はWillieの解説付き案内である。解説は英語で、中国語は使用しない。日本人が多くなれば日本語ガイドを付けるという。

クルーのショー

 19時すぎ食前酒を飲み終えてディナーへ。

 21時15分からのクルーのショーが楽しかった。クルーが職場ごとに編成されたチームで行う素人学芸会みたいなショーだが、その熱心さが買われているのだろうと思われる。

クルーのショーの後、展望ラウンジで一杯飲みながらバンド演奏でも聞こうと思ったらなんとクルーズディレクターのThomas 君がサックスを演奏しているではないか、なかなかの腕前だ。

3日目 小型船サンパンのツアー

神農渓行きの小型船サンパン。15人ほどが乗れる。

神農渓行きの小型船サンパン。15人ほどが乗れる。

 「今日は忙しい日になるでしょう」と言われる。というのも、経西陵峡の西地区の景観見学、その後船を乗り換えて神農渓へのツアーがある。パンフレットにある素晴らしい渓谷へのツアーに参加できるとあって期待したのが、奥深い渓谷へのツアーは中止になってしまった。藻が多く発生してしまいたどり着けないという。残念。神農渓行きの波止場についてから小型の船サンパンに乗り換える。途中急流の場所はクーリー(苦力)が船にロープを結んで引っ張ってくれる。帰りの下りでは船頭と女性ガイドが船歌を歌ってくれる、とても良い歌だった。

 3時間ほどのツアーでは、12のピーク(頂上)をもつWu Gorge巫峡(44km)、1240mの高さの山があるQutang Gorge瞿塘峡(8km)など、世界で最も危険なピークの一つと言われる景観を見ることが出来る。もちろん、Willie の解説付きである。

4日目 最後の晩餐

豊都

 今日はこの船の最後の日。豊都、鬼城などいろいろな呼び名があるFengduを訪ねるツアーがハイライトになる。

 ピアの前には206の大きな石段があり年配者にはちょっときついが、船着場から階段を登ればそこからはシャトルバスで公園入り口まですぐ。お店が沢山あって賑やかだ。ロープウエーでお寺参りもできる。道沿いにはお寺を背景にして微妙なコントラストを描いている石像があり、テーマパークのような楽しい公園であった。

 船に戻り、夜のダイナスティレストランでは、中国民族衣装に着飾ったスタッフの大パレードと楽しい演出は最後の晩餐を大いに盛り上げてくれ、このクルーズの一大イベントとなった。
 講演会では、針治療の実演で「誰かモデルになりませんか」と言われ、当時腰が痛かった私が直ちにハイと手を挙げ、Dr.Chinの針治療を無料で受けることが出来たのは幸せであった。
 クルーが様々な演出をしてくれるこのクルーズ。そして設備のよい船でおいしい食事、それもスペーシャスで、ワンシーティングのアットホームな雰囲気の中で過ごした4日間はなかなかどうして、中国風でありながら、インターナショナルで、とても楽しい思い出となった。

Willieと鍼の先生Dr. Chin。

この写真を見てください。Willieと鍼の先生Dr. Chin。他人とは思えないくらい似ていると思いませんか。二人が登場した時、とっさに「Are you twin? 」双子ですかと聞いたら、他の講演会に参加の外人さんたちも大笑い。愉快なひとときでした。

 翌日朝のチェックアウトも非常にスムーズ。クルーが一緒に街に行くというので、彼に頼んで、タクシーをメーター使用にしてもらい1時間ほどで空港へ。タクシー料金は100 元!とても安かった。重慶は中国でもなべの底と言われるくらいもっとも暑くなる場所とのことだ。船を出る時は隣に係留していた別のシップVictoria号のロビーを通ってピアへ。他ではとても考えられないシーンもあったが、Yangzi Explorerで行く、三峡クルーズの旅を大いに楽しんだ4日間だった。

YANGZI EXPLORER ヤンツィ・エクスプローラー

体験記 クルーズマスター 松井澄夫 長江三峡クルーズ

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